被害者を錯覚させるのが主な手口
催眠商法は特定商取引に関する法律に抵触する、違法な商法です。
被害者はあたかも催眠術にかかったかのように冷静な判断力を失い、言われるがままに高額な商品を購入してしまいます。俗にSF商法とも呼ばれていますが、これは催眠商法を最初に行った会社の頭文字が由来です。
催眠商法は多くの場合、プレハブや空き店舗などを数日ほどの短期間だけ借りて行われます。
事前にチラシなどで食料品や日用品などを安価、あるいは無料で配布すると煽り、集まった人に気前よく振る舞うのです。
最初のうちは無料で配りますが、徐々に金額を吊り上げます。そして遂には市場価格の数倍以上の金額で被害者に商品を売りつけるのです。
冷静に考えれば不当なまでの高額な商品を購入するのはあり得ない話ですが、被害者は「お得な買い物をした」と錯覚してしまいます。
被害者の多くは高齢者であることから加齢による判断力の低下と見なされることもありますが、実際は狭い室内で次々と商品を売りつける状況に置かれたことで混乱してしまい、金額が高いと思えなくなってしまうのです。
実際、高齢者には含まれない年代の人も被害に遭ったケースは少なくありません。
高齢者の価値観や倫理観を利用した悪質商法
催眠商法によるトラブルで知られている企業にエクセルヒューマンがあります。
食料品や雑貨など様々な物品を販売する会社ですが、一方で高齢者を標的にした悪質な催眠商法を行う会社として幾つものトラブルを引き起こしたのは否定できない事実です。
エクセルヒューマンの主な手口は布団の押し売りであり、プレハブなどの狭い室内に何人もの高齢者を集めてからお菓子などを無料で振る舞います。
徐々に高い物を提示し、最終的には高額な布団を売る手口です。昔は布団が高級品だったことから、今だけの特別価格などという謳い文句に惑わされて高額な買い物をしてしまう高齢者は珍しくありません。
また、無料でお菓子を貰ったのに何も買わずに帰るのは失礼と考えてしまう高齢者もいます。
高齢者ならではの価値観や倫理観に付け込んだ悪質な売り方と言っても過言ではありません。
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