「おいたわしや兄上」鬼滅の刃・縁壱が黒死牟に放った言葉の意味とは

なぜ「いたわしい」のか

黒死牟は鬼になってからいっそう強くなりました。しかしそれは人間を捨てた結果の強さでした。

縁壱が鬼を狩るようになったきっかけは妻子を鬼に殺されたことですので、縁壱からすれば、家族が鬼になることは辛いことだったのでしょう。

主人公の炭治郎も、家族や友人を大事に思うシーンが多くあります。漫画全体を通して、一筋縄ではいかない家族への思いを描いているのです。

辛いけれど、相手に激昂するでもない。ただ兄の環境に想いを馳せ、しかし許すこともできず……という感情だったのではないでしょうか。

縁壱は、鬼になった兄をずっと家族と思っていたのではないか、と思わずにいられません。

家族だからこそ、複雑な思いがある

縁壱と黒死牟、違う道を進んだふたりですが、「おいたわしい」という言葉からは家族としての複雑な気持ちが感じられますね。

このような簡単に説明できない、多くの感情が入り交じったキャラクターが読者の興味を引き、愛される作品になるのでしょう。